2012年12月29日
2012冬俳句
波打ちて 浜の道濡れ 潮の跡
冬嵐 歩みし老婆を もてあそび
夕暮れに 青き空に 月と雲
収穫の 蜜柑は落ちて 草の中
冬嵐 浮かびし島の 肌枯れて
峠坂 頂き廻る 風車羽根
山坂の 枯れ葉に足を とられ路
侘しげに 暗き飛沫の 冬の海
2012年12月29日
いのちの風に
大地は深い 緑の海
枯れ枝 一本 虚空に伸ぶ
空を見上げて 羨むか
それとも 生きた証を
叫ぶか
空に 冬の雲
区切りは なくて
線もなし
灰の色 冬の海
虚空の風に 水面は
波打ち 地上に打ち据え
砕け散る
人は そこに佇み
何処に 線を引くか
人の 情け
人の 性
いのちを 延して
何を 得る
闘争 ただ 血を
大地に刷け
大地に 臥す
短き いのちを
地に返し
尊き 生を
大地に 捨て
手にする 宝とは
如何なる 金剛か
海よ 君よ
それを 見て
何 思う・・・
海が 生を産み
海が 雲を産み
海が 緑の大地を産む
人 曰く 母なる海と
生は 儚く
生は 陽炎
生は 瞬き
生は 光り
雲上 遠き陽は
光りを 垂れ
雲は 煌く
光りの 遊戯に
海 笑う
大地は 悦び
空に 風吹く
尊き いのちの
光りは 周りを
照らし いのちの風は
愛を 叫ぶ
赤き 炎の
生の 魂
いつまでも
光り輝け・・・
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少しは私に愛をください
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撮影場所:愛媛県伊方町 女子鼻海を臨む
2012年12月12日
2012年12月10日
2012年冬俳句総集編

寒き夜 根深の汁の うどん食い
夕焼けや 山の紅葉に 沈む里
早暁に 切れる細月 草眠り
冬の空 暗き 闇夜の 風強し
野辺地蔵 紅葉は落ちて 冬支度
深秋に 水涸れ池と 讃岐富士
冬霞 城に色づく 秋紅葉
寒月に 雲は流れて 笑顔見せ
流れ曇 合間の月に 白大地
草枯れて 冬の雨降る 野道かな
ため池や 水なき底に カラスなく
東天に 雲は流れて 冬夜空
軒先に 夕日は落ちて 冬の風
北風や 家路を急ぐ 人を押し
つるべ落ち 冬の路地に 影伸びて
木枯らしや 木の葉は舞って 路標
戸を開けて 灯油の香り 部屋明り
星明り 窓の向こうに 風さわぐ
よるべなき この身にあたる 暖あかり
冷えた身を ぬるめのお湯に 浸る幸
北風の 音聞き足は 早まりし
一年の 速さにひとつ 年かさね
山里の 煙突空に けぶる朝
空っ風 路上に転がる 枯葉かな
朝露や 朝陽に光り 霧散せり
人生は 駈けて残せし 旅の跡
夕闇に 車のライト 霞みゆく
落ち葉見て 拭う君の 優しさや
湯気あがる ラーメンすすり 汗抜い
※別ブログに公開した俳句を
掲載しています。